◎ 疫 病 ◎ 
↑降雨による土のはね上りにより
下葉に発生した大型病斑(ぼたもち)
↑重症畑の末期症状

↑茎の縦割により見られる
ずい部の筍節様の症状
《伝 染 経 路》
《 生   態 》
・罹病残幹根中で厚膜胞子のかたちで生存、越冬し、これが発芽して遊走子のうをつく
 る。遊走子のうから遊出した遊走子がタバコの根や茎、葉侵入して病斑をつくる。
《 被害の様子 》
・地際部に近い葉からしおれ、次第に上位葉へしおれが広がる。葉のしおれは茎の片
 側だけでなく全体にしおれる。
・茎の地際部に黒褐色の病斑を形成し、次第に上に広がる。病斑は茎を取り囲んでお
 り立枯病のように片側だけに生ずることはない。
・茎を縦に割ると、髄の部分がタケノコの節状になっていることが多い。
・湿潤な気候が続くと葉に大きな病斑(ぼたもち)ができる。病斑は初め濃緑色で、後
 に褐色がかってくる。
《 防除のポイント 》
・罹病残幹根はできるだけ早く抜き取り焼却する。
 遅れると根部が多く土中に残り、病原菌の密度が高まる。
・夏〜冬期に反転深耕を繰り返し、残存する罹病組織の腐敗を促進するとともに、土壌
 を乾燥させ菌密度を低下させる。
 罹病部の厚膜胞子は2〜3年生存するが、裸の胞子は乾燥に弱く、耕うんを繰り返す
 と長く生存できない。
・土寄せはタバコの根に傷をつけ遊走子を誘引するので、高畦無土寄栽培を行う。
・排水の良化および有機物の増施により、土壌環境の良化に努める。
・雨天時の耕種作業は、本病のまん延を助長するので晴天時に行い、タバコの葉が濡
 れている時は畑に入らない。
・大土寄後は畦表面を被覆し、降雨による土のはね上がりを防止する。
・発生の恐れのあるほ地では大土寄時に薬剤灌注を行う。
・土壌消毒の徹底(疫病菌は地表20センチ位までの深さに多いので、地表近くにガス
 をゆきわたらせる工夫が必要である)。
・石灰を多量に施用しない。有機物は増施する。土壌酸度の急激な矯正をさける。有
 機物の多量施用は干ばつによる発病増加をさけることにつながる。
・斑点性症状の場合には、土壌面からの病原菌の飛散を抑えるため、畦の肩や畦間
 をポリフィルムで被覆する。
《薬剤散布》
たばこ用農薬使用基準書参照